Niigata Association of Radiological Technologists

お酒のおはなし

日本酒の原材料

  ご飯としてたべるのは、小粒で水を吸いにくい、タンパク質が多めの品種ですが、
    酒造りに適しているのは、大粒で中心部の「心白」の割合が大きく、タンパク質が少なく糖化されやすい特性をもつ米です(五百万石・たかね錦・山田錦など)

  一番の大敵は鉄分です。ゆえに軟水が適しています。  


日本酒のできるまで

精白-「心白」をおおっている脂肪やタンパク質の層を丹念に削り取ります。

洗米-表面に付着している糠を取り除くため洗います。小さく磨かれた米はデリケートであっという間に壊れたり、水を吸いすぎてしまうため、ストップウォッチを要するほどの正確さが必要です。杜氏の技が冴える最初の行程。

浸漬-十分水を吸わせます。蒸し米が麹造りに適した保有水分を得るように。

蒸米-「こしき」とよばれる大きな蒸し釜で蒸しあげます。

放冷-蒸し米はすばやく放冷場に運び、寒中の冷気の中でほぐし、人肌程度まで冷まします。

麹づくり-蒸し米を麹室に運び、蒸し米の水分が飛びばらばらになると麹菌をまき、保温して麹を育てます。
室温34度の中で、麹菌の発熱によって温度が変化するのを二昼夜、温度をチェックしながら調節しなければなりません。
麹は米のデンプン質を糖化・分解して酒母やもろみの発酵を促し、酒の香りを左右する大事なものです。

酒母づくり-麹・水・酵母・蒸し米は混ぜ合わされ、約8度に保ちながら12日間。酒母とは、もろみの仕込のもとになるもので、まさに酒の母です。

もろみづくり-酒母を仕込タンクに移し、さらに麹・蒸し米・水を加えます。これがもろみです。
20日程度、温度が下がり過ぎないように、温度管理が必要です。
もろみは発酵が進むに従い、盛んに泡を出し始め、仕込んだタンクの中で1日1%の割合でアルコール分が醸成されほぼ20日で18%になります。
麹や蒸し米を一度に加えず日をおって3回に分けて加えるものを三段仕込と呼びます。

搾り-搾りのタイミングは難しく、杜氏の長年の経験と鋭い観察眼が頼りになります。
できあかったもろみを酒袋にいれ「ふね」とよばれる搾り器に重ね、圧力をかけていくとふなくちから、白く濁った酒が流れ出てくる、これが原酒です。

ろ過-原酒をタンク内に10日ほどおいて上澄みを抜き出し、ろ過します。

火入れ-殺菌と品質の低下を防ぐため、60-69度に加熱して、タンクに密閉貯蔵します。

貯蔵-瓶詰めまでタンク内に貯蔵します。

瓶詰-原酒のアルコールを規格に合わせるため、割水を行い瓶につめてできあがり。


日本酒をつくる人

杜氏 杜氏は船でいうと船長のようなもので、その下に何人かの蔵人がいます。
10人かそれ以上でチームを組んで仕事をします。
秋の刈り入れが終わると、全国の蔵に専門家として雇われていき、出身地の多くは農村地帯で、半年は農作業、半年は酒造りの生活となります。
現在では、機械化も進み、年中酒つくりをしている酒蔵もあるので、変わってきています。
新潟では、「越後杜氏」と呼ばれます。


日本酒の種類

平成4年日本酒の級別制度が廃止され、特級、1級、2級というランク分けがなくなりましたが、現在は本醸造に分類されます。

大きく吟醸酒純米酒本醸造に分類されます。

灘・伏見の酒以外は地酒と呼ばれ、地酒は画一化した味ではなく、バリエーションに富むと言われていました。


日本酒の表示

高級酒 品質表示明確

種類

原材料 精米歩合 アルコール添加 糖類添加 原料米
本醸造酒 米・米麹 ・醸造アルコール 70%以下 あり(95度アルコールで白米重量の10%以下) なし 1.2.3等米のみ
特別本醸造酒 米・米麹 ・醸造アルコール 60%以下 あり(95度アルコールで白米重量の10%以下) なし 1.2.3等米のみ
純米酒 米・米麹 70%以下 なし なし 1.2.3等米のみ
特別純米酒 米・米麹 60%以下 なし なし 1.2.3等米のみ
吟醸酒 米・米麹 ・醸造アルコール 60%以下 あり(95度アルコールで白米重量の10%以下) なし 1.2.3等米のみ
純米吟醸酒 米・米麹 60%以下 なし なし 1.2.3等米のみ
大吟醸酒 米・米麹 ・醸造アルコール 50%以下 あり(95度アルコールで白米重量の10%以下) なし 1.2.3等米のみ
純米大吟醸酒 米・米麹 50%以下 なし なし 1.2.3等米のみ

普通酒(一般清酒・普通酒・パック酒など) 品質表示不明確

種類

原材料 精米歩合 アルコール添加 糖類添加 原料米
普通酒 米・米麹・醸造アルコール・糖類・酸味料・化学調味料 規定無し
70%以上と推定
あり(95度アルコールで白米重量20-40%以下) (三増酒をブレンドしてものについては糖類が含有) 3等米以上の米も使用可、アルファ化米・粉米使用可
低価格酒 米・米麹・醸造アルコール・糖類・酸味料・化学調味料 規定無し
70%以上と推定
あり(95度アルコールで白米重量の40%以上) (ほとんどのものが三増酒をブレンドしているので糖類が含有 3等米以上の米も使用可、アルファ化米・粉米使用可

生酒とは

 日本酒は酒を造り終えたあと2回火入れをします。
  1回目 タンクで熟成させるとき 酵母の活動をとめる(酒の中の酵母が生きているため、気温の上昇で変質)
  2回目 瓶詰めして出荷するとき
 この火入れをしないものを生酒といいます。

生酒 一度も火入れをしていない

生貯蔵酒 出荷の直前に一度だけ火入れをする

生詰め酒 生酒を加熱処理して貯蔵し、瓶詰めのときの火入れを省いたもの

生酒が流通できるようになった理由
  特殊なフィルターを通して酵母や他の菌を濾して発酵をとめることができるようになった
  低温での輸送が可能になった 買ったあとは冷蔵庫に入れるか、さっさと飲んでしまいましょう。

ちなみに
しぼりたての酒
=原酒=水を加えてアルコール分の調整を行っていない=アルコール分18-19度
             「搾りたて」「糟口(ふなくち)」「荒走り(あらばしり)」といいます。


日本酒の味<甘口・辛口>

時代と共に味は変わる
  明治時代 酸が多く甘味の少ない酒
  昭和初期 酸が多く甘口
  現代 酸が少なく淡麗で辛口

日本酒度(甘辛を示す尺度)  日本酒度計という計測器がある
   水の比重を0としてこれより軽いものをプラス、重いものをマイナスであらわしている。
   プラスが高いほど辛口の酒、マイナスが多いほど甘口の酒となる
       辛口   プラス5以上 
       やや辛口 プラス・マイナス1-4
       中口   マイナス2-5
       甘口   マイナス5-10

しかし酸が強いと辛口の感じ、弱いと甘口に感じるので、辛口甘口は尺度にすぎず、全体のバランスによるところが大きい


では、何をのむか

季節と一緒に飲む人を考えて
  こたつで熱燗--------本醸造・純米酒
  暑い日には冷たい-----生酒・生貯蔵
  酒がわかる友と-------吟醸酒・純米酒
  花見にみんなで楽しく--本醸造・純米酒
  特別な日に-----------吟醸酒

冷たくするか熱くするか
  冷やで飲むには 吟醸酒・純米酒 (7-10度くらいに冷やして)
  熱燗は本醸造・純米酒

値段を考えて
  吟醸酒 
値段は高め。美味しいのが当たり前、しかしはずれる時も.....
   純米酒 ややお手頃
  本醸造 
毎日飲むにはお手頃

清酒鑑評会には、吟醸酒が多く出品されます。金賞を受賞したからといって、最も主力となる本醸造や純米酒が美味しいかどうかは別問題です。

本醸造酒は、安定した酒質、飲み飽きない酒として毎日飲みたい酒でもあります。

では、何をのむか、はあなたの好きです。



最後に

全国の酒蔵は2000余り 新潟は100余り
「幻の酒」「昔ながらの手造り」などというキャッチフレーズに惑わされず、

(幻というのは少ししか作っていないかもしれないし、昔ながらの手造りというのは近代化ができないのかもしれない)
「高い酒が美味い」のではなく、
(高いのに美味しくなかったらくやしいので、美味しいと思うことにしているが)
「新潟の酒だからおいしい」「新潟の酒だからよい」のではなく、自分の好みの酒を見つけるために、今日も飲みつづけるのでした。
「新潟のめずらしい酒」だからといって、法外な値段で売られているのは心苦しく思います。